【アフターコロナ】SMBCの経済レポートが素晴らしいので解説

日本総研による2020年上半期のマクロ経済レポがよくまとまっているので、シェアと解説。


ざっくり言うと

  1. 三井住友銀行のマクロ経済レポートが毎回秀逸。
  2. インバウンド消費、失業者がピンチ。海外は米国と日本以外は景気回復遅れそう。
  3. 産業天気図でざっくり産業の状況を見よう。


マクロ経済レポート


新型コロナ関連では、僕は謎の予言を出した。


【新型コロナ】アフターコロナを予言しよう。ごんじっちダムスの大予言


特に予言2:不可逆な産業構造の変化については、じわじわと予言のとおりになりつつある。


正直100年に1度あるかないかレベルの経済不況のため、僕も歴史を紐解いてなにか参考になる出来事はないかと探してみたが、見つからない。現状は今わかっていることを頭に入れて世の中の動きを探り探りで予測していくほかない。


三井住友銀行は投資家向けに半年に1回秀逸な経済レポートを出している。日本総研が作成し、今の世界の経済状況を知るに十分である。今回はざっくり紹介したいと思う。



アフターコロナのレポート概要



くわしくは実際の資料を見てほしいが、個人的に興味深い内容をピックアップしていく。



インバウンド消費の終わり(財輸出は下振れるも継続)



上図右下を見ると、堅調な成長を遂げたインバウンド消費は、ほぼ壊滅したことがわかる。4月は前年比99.9%減となった。


ここで注目したいのは、財輸出は3割減から回復の見込みとなっている一方、サービス輸出がほぼゼロとなったことである。経済における基本的な内容だが、経済不況の時に真っ先に倒れるのは第三次産業(サービス業)である。これはそもそもサービス業が人の移動を伴うこと、サービスそのものが生命維持に必須でないことなどが挙げられる。



失業率と雇用者急減



実際リーマンショックの何倍のインパクトがあるかは対数グラフでないと分かりづらいが、雇用者数は非正規雇用を中心に急減している。失業率は企業の雇用保蔵がなければ10%超となっているが、実際は失業率の印象以上にひどい状況になるといえる。なぜか。


第一に、企業の雇用保蔵そのものが年末にかけて崩壊しつつある。雇用保蔵の崩壊時期は企業の内部留保や自己資本率を見ていれば予測ができるが、一般に企業の運転資金は6ヶ月ほどであること、季節変動で消費が一段落する9月以降の状況を想像するに、年末から来年8月(ワクチンが市中に流通し始めると思われる時期)まで悪化を続けるであろう。


第二に、失業率は求職を諦めた人間についてはカウントされない。つまり実際には生活苦に陥る人間は百分率以上なのだ。


第三に、失業率以上に休業者の増加(上図の右下)が経済に悪影響を与えている。新橋や新宿の飲食街などを想像すればわかりやすいが、休業者が増加すると仕事があっても消費が落ちこむ。さらに消費の地域が偏るので、オンラインなどの地域に依存しない産業だけが儲かる状態が続いてしまう。



米国と日本以外は経済回復が遅れる



米国と日本は大規模な財政出動を行うことで、実は多くの中小企業を救うことができている。上図は米国だが、上図左上の企業向け融資残高は記録的な伸びを指す。


日本においても2回の補正予算により経済対策が行える状態にあるが、有効活用の面では疑問が残る。GoToトラベルは原資以上のレバレッジを効かせられる消費刺激策だが、積極的に利用してほしいのかしてほしくないのか政府の態度が曖昧なため、全く効果をなしていない。


ちなみに新興国や欧州、発展途上国は深刻である。欧州は中央銀行がEUによる合議制により、有効な経済対策が打てていない。新興国や発展途上国はそもそも自国通貨が弱過ぎて財政出動が行えない。世界において経済対策がうまく行えているのは米国と日本、しいて挙げれば英国くらいである。



産業天気図



次に産業ごとのレポートが続くが、詳細をあげるときりがないので産業天気図を紹介。



全体的に悪化しているものの、改善している産業もある。


意外かもしれないのは不動産である。不動産は都心のオフィスが厳しい一方で、都市周辺部の需要が高まっている。需要全体は落ち込んでいるとは言えない。また、去年豪雨で問題になったタワマンについても需要が増加傾向にあり、ほぼ満室のマンションが続出している。



余談(今日のおすすめ本)


記事にするほどでもないが紹介したい本を紹介するコーナー。今回はこちら。


マクロ経済の話は難しいので、まずは何が何に影響しているかを理解しよう。田渕さんの本が最もわかりやすい。特に下記の本は愛用しております。


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