【フロム】離婚は子供に不幸からの脱出を教える良い機会だ
フロム【愛するということ】から、驚きの解釈を紹介。
早速、第二弾。
フロムの愛するということ、面白い。
本著は愛するという行為を基本軸として、現代社会における孤独に囚われた個人に力強い武器を授けてくれる。
商品として、ロボットとして機能するようになった人間は、かつて宗教が到達していた愛への理解が薄まってしまった。
理解が薄まるどころか、現代社会の大人たちは、次世代に愛の技術を伝えられず歪んだ個人を作り続けている。
フロムが現代社会に蔓延する「偽りの愛」に関して特に警鐘をならすのは、子供への悪影響である。
中でも自分の問題を子供に投射する傾向について、鋭く批判する。
愛することに技術の修練が必要なため、子供はこども自身で答えを見出す経験が必要だというのである。
さらに子供のために離婚しない家族を子供にとって有害だと指摘する。
これは個人的にも共感する。両親が離婚している子供の自立心の高さは目を見張るものがある。
フロムは現代社会にありがちな「偽りの愛」を挙げていく。
現代社会が消費社会となった今、愛すらも消費となり、暫時的な愛を正常の愛と勘違いして享受しているのが現在である。
一方宗教的な世界観における愛とはなにか。
キリスト教においては隣人愛という概念が提示されている。しかもこの隣人愛は自己愛と合一的である。
無償の愛という概念もある。対価としての愛ではなく、自己愛から拡張された隣人愛をフロムは理想的な愛であると説く。
しかしフロムは隣人愛から始めるのではなく、自己修練をまず勧める。健全な自己愛が隣人愛を生む。
ではどのように自己愛を育て、愛するということを技術として習得すれば良いのか。詳しくは本著を読んでほしい。
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