【システムシンキング】なぜ、仕事チョットデキル人はやめてしまうのか?
システムシンキングの因果ループ図で、仕事チョットデキル人が辞めてしまうメカニズムを描いてみた。
前回の記事では、システムシンキングは様々な問題を図解できることを紹介した。
【システムシンキング】なぜ、飲み過ぎてしまうのか? なぜ、交通渋滞は解決されないのか?
実践システムシンキング(湊 宣明/KS理工学専門書) より引用
特に交通渋滞の問題は、道路の拡張が利便性向上による通行車両の増加、という副作用を招いてしまうことを図示できるという点で、システムシンキングのメリットを伝えられたのではと考えている。
システムシンキングは様々な社会問題に適用できるのでは、と考え始めた私は、早速適用できそうな例を発見した。
会社において、仕事チョットデキル人の退職はリスクである。その人にしか出来ない業務の存在や、その人に将来任せたかった仕事を受けられる人がいなくなるので、現在も将来も損失を抱えることになる。
しかし、仕事チョットデキル人はなぜ、ある日突然辞めてしまうのか。実はシステムシンキングを適用すると、ある日突然、でもなく、徐々に仕事やめる確率が上がっているのでは、と考えることができるようになる。
筆者作成
上図には大きく2種類の仕事が存在することが分かるだろう。
である。実はこの、雑務と大事な仕事の量がやる気にポジティブないしネガティブな影響を与え、仕事を辞める確率に大きく影響していると考えることができる。
下記で{雑務}と{大事な仕事}の関係性を整理しよう。
雑務は、仕事を振る側にとっては受け手の利便性が上がることになり、仕事が進めやすくなるが、本人のやる気は下げてしまう。
大事な仕事は、仕事を振る側にとっては、受けての利便性を上げて仕事が進めやすくなり、受け手にとっても大事なスキルが身につくのでやる気がもたらされる。
仕事チョットデキル人に仕事を振る人、つまり上司の立場から考えてみよう。
上司がこのメカニズムにおいてコントロールできるのは、{雑務}と{大事な仕事}である。
つまり雑務と大事な仕事のバランスを考えて、本人のやる気を適切にコントロールしていかなければならない。
筆者作成
よく実世界で見られるケースとして、仕事チョットデキル人は「便利屋」になりがちだ。
確かに仕事チョットデキる人は貴重であり、上司としてはいろんな仕事をやってくれるので、便利な存在である。
しかし、雑務をたくさん振るうちに、仕事チョットデキル人はやる気をなくし、いつの間にか仕事を辞める決断をしているかも知れない。
だからこそ、仕事チョットデキル人を上司は観察し、今仕事のバランスは本人に取って適切なのか、見極め続けなければならない。
システムシンキングは別々で考えがちな要素を結合させ、モデル化して可視化してくれるメリットがある。
ロジカルシンキングだけでなく、システムシンキングを学ぶことを是非お勧めする。
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