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【いきなりステーキ】いきなりステーキを救う会

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ざっくり言うと

  1. 筋トレの相棒、いきなりステーキが既存店売上に苦しんでいる。取れる戦略を様々な視点から考える。
  2. コスト削減: 牡蠣の廃止、ホールとキッチンを分ける、ステーキの量り売り廃止、トッピング選択の廃止(デフォルトブロッコリーとコーン)、既存店は駅前orフードコートに入って無いものはすべて廃止
  3. 売上向上: サラダの質を上げる(ブロンコビリーくらいまで)、フードコートのお店は全部「武蔵ハンバーグ」に、ブランド変更(高級店っぽい英語ロゴに変更)、サントリー黒烏龍茶復活、価格帯フラット化(駅前の店舗でディナー量り売りで食べないから)、赤身肉の充実と筋トレセット展開


我が相棒、いきなりステーキの危機


筋トレを志す者として、いきなりステーキは燦然と輝く神殿のようである。トンネルと抜けると、そこにはステーキがある。


いきなりステーキは、登場時は手軽にステーキが食べられるお店として、そして糖質制限ダイエットの最大の味方として、今は筋トレを志す者のメッカとして愛されてきた。しかし。


一般ユーザーは次第に離れ、既存店同士もカニバリゼーションを起こし始め、戦略は迷走。9月の既存店売上高はなんと64%まで低下した。これは撤退レベル。

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「株ブログ はっしゃん式 発掘チャート」より引用

直近ではオイスターバーにする、サントリーから自前に切り替えた黒烏龍茶の販売など、ほとんど迷走と言ってよいレベルまで戦略サファリの遭難者となっている。

戦略サファリとは、経済学者ヘンリー=ミンツバーグの著書で、先が見通せない市場でヒューリスティック(探索)的に戦略を見出していく手法を取り上げたものである。この戦略の立て方を創発戦略と呼ぶ。有名な事例にアメリカでのホンダのスーパーカブの成功(「Nicest people on Honda」キャンペーン)がある。これは1960年代初頭にホンダが中型バイクでアメリカ進出を狙っていたところ全く売れず、むしろ社員の移動用の小型バイクだったスーパーカブが偶然注目され戦略を変更した事例である。以後、ホンダはアメリカ進出を成功させ、スーパーカブは世界の大衆バイクとしての地位を確立していくことになる。

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いちユーザーとして切ない。
gonjittiのちょっとした知見を結集して色々考えてみた。



コスト削減


売上向上ではなく、まずはコスト削減から入る。何故か。コスト削減のほうが簡単で、誰でもできるからである。仕事でも改善を提示することは誰でもできるが、仕事を作るのは一部の人にしか出来ないのと同じ。

牡蠣の廃止


牡蠣の廃止。オイスターバーは別のブランドでやるべきである。このマーケティングでせいぜい正解なのは、デモグラフィック属性くらいではないか。

デモグラフィック属性とは、性別や年齢、所得、地域などの人口統計学的属性のことを指す。マーケティングで最初にやるターゲティングであるが、これだけでは到底戦えない。


ホールとキッチンを分ける


人員削減のために行っているのだろうが、いきなりステーキではシェフが肉も切るし、水も注ぐし、レジもする。専業させたほうがメリットが大きいし、移動距離の削減になる。飲食店の移動は1日5-6kmの歩行に相当することがあり、距離の削減は生産管理の基本である。あと水は自分で注ぐから置いておいてほしい。別に注いでもらっても嬉しくない。



ステーキの量り売り廃止


ステーキの量り売りが可能だが、利用者は全体の1%程度では無いだろうか。選択の自由は99%のユーザーにとって選択の疲労を感じさせるので、選択肢はせいぜい肉部位別に3パターンでいいだろう。


別の課題として、10g単位で量り売りするためには仕入れで結構な塊の肉を用意する必要があり、それは歩留まり率の低下を招いてしまう。なんならセントラルキッチンで切っておいても構わないとすら思うが、美味しさが低減するので悩みどころ。


人件費的なメリットもある。10g単位のカットはシェフに高度なスキルを要求する。あらかじめ200, 250, 300, 450グラムくらいにするならば、人間は感覚的に肉をカットできるようになるし、横浜中華街の刀削麺のおじさんみたいにノールックで肉をカットできるようになるだろう。最悪自動化しても良い。



トッピング選択の廃止(デフォルトブロッコリーとコーン)


トッピング変更ができるのを知っているだろうか。筋トレユーザーは大体ブロッコリーにトッピング変更するので、ブロッコリーでいいです。コーンは安いけどユーザーがトッピングとして喜ぶものではないし、せめて玉ねぎくらいにしないと。コスト削減してんなー感が強くてもう。



既存店は駅前orフードコートに入って無いものはすべて廃止


いきなりステーキが食べ物として一般化した以上、飲食店の売上の鍵はもはや立地でしか無い。weworkもよく地上げに失敗していて苦笑してしまうが、チェーン店とコワーキングスペースは立地が価値の主要ファクターでしょう。



売上向上


こっからが大変なのよねー。売上向上はマーケティングのセンスが必要で、打ち手を試し続ける必要がある。考えられる戦略を考えてみた。

サラダの質を上げる(ブロンコビリーくらいまで)


人間の損失回避傾向を考えると、、いきなりステーキのサラダとスープは質が低すぎて食べる気が起きない。ここはファミリー向けステーキチェーンで顧客満足度トップをひた走るブロンコビリーを参考にしよう。


ブロンコビリーはライバルの「ステーキのけん」「ステーキガスト」と大きく戦略が違い、価格帯が1ランク高いがサラダに徹底して力を入れている。サラダバーは契約農家直送と思われる原産地こだわり型の展開で、バリエーションも10-20種類用意している。もちろん原価率が辛くなるのは当然だが、リピート率でカバーしている。いきなりステーキもいきなりサラダに改名する勢いで改善しよう。今まで取れてないファミリー層をつかめる可能性があり、平均顧客単価とライフタイムバリュー上げられるかもね。



フードコートのお店は全部「武蔵ハンバーグ」に


フードコートで成功しているのは、いきなりステーキではなく武蔵ハンバーグである。武蔵ハンバーグはいきなりステーキと同じ、ペッパーフードサービスが展開する別ブランドだが、ファミリー向けのチューニングが施されており、ファミリー層をガッチリ掴んでいる(グランツリー武蔵小杉調べ)。よって、成功実績のある貴重な戦略を全国に横展開すべきである。いきなりステーキは今のままでは結局個人にしか売れないのよ。



ブランド変更(高級店っぽい英語ロゴに変更)


スターバックスが得意とする高級感。藤田田も日本マクドナルドの展開時に大事にした戦略である。大衆は高級感を感じられるものに憧れがあるので、ここはウルフギャングばりに高級感のある英字フォントとロゴで押し出そう。安さ丸出し、カッコわるい。
※藤田田は下記ブログで紹介済み。本の迫力が、やっぱりすごい。なんかこっち見てるんですけど。
【書評】日本マクドナルド創業者の奇怪なビジネス書「世界経済を動かすユダヤの商法」(藤田田/KKベストセラーズ)
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サントリー黒烏龍茶復活


既存ユーザーを大きく悲しませた2018年のサントリー黒烏龍茶廃止。突然、黒烏龍茶が自前の変なOEMの烏龍茶になってしまった。ゴールドカードを持つ既存ユーザーの損失感はここから生まれていると言っても過言ではない。とにかくプロスペクト理論を見てほしい。大きなダメージを負ってしまったよ。

プロスペクト理論(プロスペクトりろん、)は、不確実性下における意思決定モデルの一つ。 選択の結果得られる利益もしくは被る損害および、それら確率が既知の状況下において、人がどのような選択をするか記述するモデルである。 行動経済学における代表的な成果としてよく知られている。
「wikipedia」より引用

価格帯フラット化(駅前の店舗でディナー量り売りで食べないから)


ディナーの量り売りは廃止。価格をフラット化させて、平均顧客単価を予測しやすく、かつちょっと上げるべき。



赤身肉の充実と筋トレセット展開


いきなりステーキに通う大事な既存顧客、それは筋トレを志す者。彼らはラグビーのワールドカップ効果で次第に人口を増やしつつある。そこで、価格をわかりやすいものにし、かつ含有タンパク質の量を明らかにしたメニューを提案したい。


われわれ筋トレを志す者は、体重×1-2倍のタンパク質を1日に取る必要があり、日々計算しているがめんどくさい。もしいきなりステーキで計算済みのタンパク質の量に合わせて肉が食べられるなら、喜んで毎日ステーキを食すであろう。


タンパク質の25gプラン、50gプラン、75gプランで肉の量を計算したプランを提示してみよう。ビッグバンのようにマッスルたちが君の店を訪れるはずだ。



結論


俺たちのいきなりステーキを救う戦いは、まだはじまったばかりだ。



余談(おすすめ本コーナー)


おすすめデザイン本。ずっと使えるデザインのコツがびっしり。自分もよく利用してます。