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【ゲームデザインバイブル】人間が喜びを感じる仕掛けまとめ。旅行は計画時が一番楽しい。
ざっくり言うと
- あつまれどうぶつの森の大ヒットが女性のハートを掴んだ話。ゲームデザインバイブルにサービスのヒントを得よう。
- バートルによるゲームプレイヤーの分類がサービスに役立つかも?
- 人が喜びを感じるときのリスト。承認欲求だけではない。
あつまれどうぶつの森が女性のハートを掴む。
あつまれどうぶつの森には、ユーザー、特に女性のハートを掴むハマる仕掛けがたくさんあることを以前の記事で紹介した。
ちなみに作った人は、京極あやさん。このひとが手掛けた「街へいこうよどうぶつの森(Wii)」から、写真やともだちとの交流、アイテムに力が入るようになり、初代とは別ゲー化した。
ゲームデザインバイブルは世界中のゲームクリエイターにとってはすでに文字通りバイブルにはなっているものの、一般の事業企画を行う人々の間で話題になったことはない。関係ないと思われているかもしれないが、面白いサービスを作る上でのヒントが満載なのだ。今回は一部紹介したい。
バートルによるゲームプレイヤーの分類が人々の喜び分析に便利
バートルによれば、ゲームに参加するプレイヤーは次の4つに分類される。それぞれ喜びの感じ方が異なる。
- アチーバー(達成者)。純粋にゲーム世界で目標の達成に勤しむ。APEXとかでダイヤを目指して毎日エイム練習する、みたいなプレイヤーを指す。
- エクスプローラー(探検者)。ゲームがどのような広がりを持っているかに興味があり、目標達成よりも発見を目指すプレイヤー。RPGやマインクラフトなどが向いている。
- ソーシャライザー(社交家)。他人との関係性に興味があるプレイヤー。モンスターハンターの協力プレイなどは共感の喜びがあるだろう。
- キラー(殺人者)。他人と競い、他人を倒すことに関心があるプレイヤー。競争と破壊が趣味だが、実は他人に自分の存在を知らしめたいだけだったりする。
ソーシャルコミュニティや組織経営においてメンバーを分類してうまく振り分けることは重要なことである。分析不能な状態から情報を削ぎ落として分析可能にすることは、良い解決策を見つけることにつながる。
自分の立ち位置を分類しても良いだろう。特に自分がキラーだった場合、周囲の迷惑は極まりない。一匹狼的な営業として独立すると大成するかも、など分類が人生の道標になる。ちなみにごんじっちはエクスプローラーである。
サービスにエンゲージメントがほしいのであれば、アチーバーやソーシャライザーにとって魅力的に写る仕掛けを用意しよう。人が多ければ多いほど楽しい仕組みも必要だ。キラーが場を凍らせる可能性があるので、キラー対策も一定必要だろう。
人間が喜びを得るリスト
ユーザーの分類とは別に、一般に人間が喜びを得る要素を下記にリスト化した。
- 期待。喜びが訪れるとわかっている時は、それを待っている時間も喜びなのだ。旅行は計画しているときが一番楽しいでしょう。
- 完了。何かを終えるのは気分が良い。パックマンのすべてのドットを食べる、敵を全員倒す喜びは完了からきている。
- 贈り物。贈り物のサプライズで人に喜んてもらうのは気持ちが良い。投げ銭やどうぶつの森はよく利用している。
- 他人の不幸。不正を働いていたものが社会的制裁を受けると人間は喜びを得る。ドイツ語ではシャーデンフロイデという。
- ユーモア。全く関連性のないものが発送の転換で突然調和するとアハ体験ができる。アイデアを考えるときによく起きる。
- 可能性。選択肢がいっぱいあって、どれでも好きなものが選べる、という可能性がうれしい。食べ放題やコスチュームなど。
- 成果に対する誇り。成果を上げた後に、それがプライドとなって自信になる仕組み。通常は子供や孫に対して誇るもの。
- 驚き。脳は常に驚きをもとめていて、アハ体験は典型的な喜び。
- スリル。ジェットコースターのデザイナーは、「恐怖 - 死 = 楽しさ」を意識しているようだ。恐怖を感じるけど身の安全も感じているとき、最高の喜びを得る。バンジージャンプも同様。
- 逆境を越えた勝利。特に日本が大好き。負けそうな状況から勝利すると最大の喜びがある。イタリア語で「フィエロ」と呼ぶ。
- 驚嘆。パニックホラーや絶景など、畏怖や驚異が感情の抑揚をつけて喜びに転換できる。
たった一つでも良いので、自分のサービスがなにか喜びをもたらせていないか確認しよう。今ハマっているものがなぜハマっているのか、理由をこのリストを参考に分析すると、なにか作るときの精度が上がるだろう。