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【投資】【株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール】下落トレンドで儲ける方法


ざっくり言うと

  1. 株が上がると儲かるが、下がっても儲かる。
  2. 利益確定と損切りができる必殺、逆指値注文。
  3. 下がると儲かるインバース型ETF。


株式の上昇相場、下落相場


株式市場は引き続き好況を呈しているが、みなさんはきっちり稼いでいるだろうか。


9月に一時的なクラッシュが起きたものの、米国はAppleの5G端末の発表などで引き続き好況を維持している。


国内は薄商いが続いているものの、マザーズが好況を引っ張っている。


株式市場は上がるとみんな儲かるが、下がるとみんな損しがちだ。


だがこの定説は、プロには当てはまらない。プロは下がる時も儲けるのである。


プロは空売りや国債などのリスクヘッジ資産、インバース型ETFといった下がる時の儲け方を知っており、個人投資家はあまり意識して運用していないのでしょっちゅうはめ込まれる。


最近はじめたばかりの個人投資家は、どうしてもプロに知識がかなわないと思っている。プロはアナリストレポートを参照できるし、ブルームバーグがあるし、特殊な注文ができる、と思われている。


しかし、最近はアナリストレポートのレベルが下がってきたこと、バフェットコードといった分析ツールの登場、ネット証券でも信用取引、逆指値注文ができるようになるなど、損失や利確をプロと同じレベルでできるようになることが増えてきているのだ。


投資信託ではなく、自分の力で資産を育てることができるのだ。


今回は、投資をはじめたばかりの人に個人的におすすめしてきた投資の隠れた名著の新板、「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール 新版 波乱相場を勝ち抜く」(大田忠/日本経済新聞出版) を紹介しつつ、最低限知っておきたい言葉を2つピックアップする。



逆指値注文とは


著者の大田さんは、投資初心者が株式の損切りが下手なところを心理的に解決するのではなく、仕組みで解決することを勧めている。


それが逆指値注文である。


通常、株式は2通りで購入する。いくらでもよいからすぐに買う成り行き注文と、株価を指して買う指値注文である。


逆指値注文は指値注文の派生であり、通常指値以下だと買い、指値以上だと売る指値注文に対して、指値以上だと買い、指値以下だと売る注文を指す。


逆指値注文は実際には、損失確定と利益確定の2パターンで利用されるので、図と合わせて簡単に説明しよう。



損失確定(損切り)の方法としての逆指値注文



上図のように、買ってみたけど株価が下がってしまった。こんな時に損失を確定する勇気はなかなか出ないものである。


そこで予め指値以下だと売る逆指値注文を買った時に同時に出しておく。すると損失が予め確定されることになり、「最悪これくらい損だ、まあいいだろう」という心理的安全を獲得できる。


「大丈夫、安くなったら自分で売り注文出すよ」と思う人がいるかも知れない。そういう人ほど、安くなっても自分の損失を認められず、株価が戻ることを期待してずっと塩漬けしてしまうのである。


これは投資の一つの事実だが、安くなる銘柄にずっと投資しているより、さっさと売って別の銘柄に投資したほうが、同じ現金でより多くのチャンスに賭けられていることになる。より多くのチャンスに賭けるために、逆指値注文をすると覚えておこう。



利益確定の方法としての逆指値注文


個人的によくやるのが、利益確定としての逆指値注文である。



うまく買った銘柄が株価を上げてきたら、最低の利益確定ラインを切り上げる方法として逆指値注文を利用する。


投資で一番難しいのが、株価の天井を見極めることである。


株価が一度上昇トレンドに乗ったら可能な限り乗っておくのは投資の王道なのだが、問題は急落のタイミングがわからないことである。


通常株価の上昇より下落のスピードが早いので、売りが遅れるとせっかく育てた利益を一瞬で失うことになる。(コロナショックで一気に内部留保した現金が吹っ飛んで危機に陥っている航空会社、旅行会社をイメージしてみよう。何事も、落ちる時は一瞬なのだ。)


そこで予め逆指値注文をしておいて、ある程度の利益を確保してしまう。これで安心して含み益を実現できるのだ。


私も最初しょっちゅう利益を逃していたので、逆指値注文を利益確定に利用することが増えた。


実際はチャートを見てどこまでさがりそうか底を見極めないとどれくらい切り上げればよいかわからないので、これはテクニカル分析の別書や実践で訓練してみてほしい。


逆指値注文に対応しているネット証券は、DMM.com証券

や、SBI証券楽天証券がある。まずは非課税枠(NISA)から初めて見るのも良いだろう。



下がると儲かるインバースとは


株式が下落相場の時に、儲ける方法としては空売りが有名である。


空売りは証券会社から株を借りて高値で売り、安くなってから同じ数の株を買い戻して証券会社に返すことで株価の下落差を利用して儲ける方法で、リーマンショックのときには億万長者を多数生んだ。


コロナショックでも空売りで儲けた投資家は多く見受けられたが、難易度が高い。


空売りの場合、株価が上がると損失が無限大になるからである。通常の株式売買は0円まで下がると損失がMAXになる。よって空売りはよく「踏み上げ」と言われる株価の上昇を食らうことが多い。


個人投資家も空売りはできるが、前述の理由でおすすめしない。もっと簡単な方法として、インバース型ETFを買う、というものがある。


ETFとは、日経平均やTOPIXなどの指数に連動して運用される投資信託の一種で、投資信託なのだが取引所に上場しているため、株式のように売買ができる。


インバースとは、英語でinverseと書き、文字通り逆に動くことを指す。日経平均などの指数が上がると、インバースは下がるのである。


これにより株式市場の下落を利用してインバース型ETFを売ることで利益を確保することができる。


インバースも主なネット証券で売買可能なので、まずは少額からはじめて見ると良い。



余談


今回はごく一部の紹介に留まった「株が上がっても下がってもしっかり稼ぐ投資のルール 新版 波乱相場を勝ち抜く」(大田忠/日本経済新聞出版)だが、僕に投資のきっかけをくれたほど参考になった本である。


IPO株や株式市場のセクターローテーション、シクリカルの話や良い銘柄の見つけ方、株式の買い時と売りどきや心構えを過不足なく記載している。ポイントは専門的すぎてもいないし、説明不足でもない、過不足が無いというところである。


後から他の本を読んでも、「あーあの本は基本的なことを書いてくれていたのか」と感心するほどよくできた本である。


資産形成の手始めに読んでみてほしい。