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【仕掛学】ついしたくなる仕掛け
ざっくり言うと
- ついしたくなるように仕向ける仕組み。
- 整理整頓したくなるファイルボックス、狙いたくなる便器の的、行動を抑制する鳥居。
- 仕掛けによって増やした選択肢を自ら行動を選ばせるのがミソ。強要も制限もしない。
ついしたくなる
行動経済学やデザイン思考の文脈でよく注目されるのが、「ついしたくなる」仕掛けの話である。
モラルのない行動を注意書きで抑制するのではなく、心理学に基づいてそもそもしようと思わなくなる。
SNSにおける「いいね」もその一つ。ついきれいな写真や喜ばしい投稿すると挨拶がわりにいいねを押してしまう。
投稿した人は何の気は無しにおされた「いいね」をみて嬉しくなる。動機が何であれ。
さらに投稿した人は色んな写真を投稿し、いいね稼ぎにはまっていく。
ついしたくなる、の仕掛けはまるで魔法のように人を操ることができる。
仕掛けの事例いろいろ
「仕掛学―人を動かすアイデアのつくり方(松村 真宏/東洋経済新報社)」にはたくさんの事例があるが、今回は一部を紹介したい。
ファイルボックス
的のついた便器
仕掛けの良いところ
著者によれば、仕掛けには通常の注意書きにはない、3つの特徴があるという。
公平性: 誰も不利益を被らない。
誘引性: 行動が誘われること。決して行動を強要しない。
目的の二重性: 仕掛ける側と仕掛けられる側の目的が異なる。
3つめの目的の二重性が仕掛けに特徴的なものである。仕掛ける側の目的(解決したい課題)と、仕掛けられる側の目的(行動したくなる理由)が異なることを指す。
前述のファイルボックスは、「ファイルを整理整頓してほしい」という課題に対し、実際に仕掛けられる側は「線を並べたい」という目的にそって行動する。絶妙に目的がずれるのである。
他にも事例や分類が多く登場するので、まずは見てみてほしい。