- Published on
【決算書の暗号を解け】個人投資全盛の今こそ、不正会計を見抜く力を
「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」(勝間和代/ランダムハウス講談社)
ざっくり言うと
- 株式市場の変動が激しい。個人投資が給付金とテレワークで盛り上がる。でも決算、読めてる?
- 会社の利益は作り出せる。決算書は企業の生み出した暗号そのものだ。
- 何度も入門しがちな会計分析、多分「決算書の暗号を解け!」で修了できる。
盛り上がる個人投資
2020年3月以降、日本でも猛威を振るうコロナ。
自宅での勤務を強いられたオフィスワーカーたちは、スキマ時間を投資に使い始めた。
筆者個人の分析でも、現国内市場は個人投資家と日本銀行によって支えられていると考えており、一部人気銘柄は急騰している。
ところで、みんなは何を基準に投資しているのだろうか。
チャートを見る者、ガッチリマンデーを見る者、Twitterを見る者、企業分析を行う者、機関投資家の動向を見極めてコバンザメする者、消費者としての経験から見極める者、様々である。
筆者個人の経験では、結局決算読んで優良銘柄を割安なタイミングで購入する、に勝るものはないと考えている。ニュースを見てからでは、遅い。
【ZOZO】ヤフーZOZO買収の株価の動きをかつてのプレミア経済本【相場は生きている】で読み解く
株式投資は本来難易度が高いものなので、ぜひ投資初心者の方は会計を正しく読むことから始めてみてほしい。
そんなことは知ってるわ、という声が聞こえて来そうである。私も経験があるが、人は何度も会計に入門し、そして結局なんとなくわかったけど、うーん、となって終わりがちである。
会計の入門ループに終止符を打つ書、これが「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」(勝間和代/ランダムハウス講談社)である。ただのビジネス書じゃん、また勝間さんか、と侮るなかれ。名言豊富、2007年発刊と古いにも関わらず、2020年現在でも活用できる隠れた名著である。
会社の利益は作り出せる
まず本著では一般的な営業活動が貸借対照表、損益計算書、キャッシュフロー計算書にもたらす影響を図示してくれる。まずは会計の基本としてこれを頭に入れておきたい。
「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」(勝間和代/ランダムハウス講談社)
営業活動を財務3表で理解した上で、本著は不正会計の傾向といかに決算書から不正会計を読み解くか、事例を交えて解説してくれている。
次に本著で出てくる名言を私のTwitterからピックアップしよう(よかったらフォローしてね)。
いいですか、貸借対照表の資産は将来の費用なんですよ!
#会計クイズ
https://t.co/3xFZMUJmni— ごんじっち@筋トレアプリBADDY (@gonjitti)
July 6, 2020
貸借対照表のうち、資産の部は固定資産、繰延資産に着目したい。土地を除いて、機械や不動産、ソフトウェアなどはいずれ減価償却によって費用化しなければならない。よく資産が膨らんでいる会社が存在するが、将来利益が圧縮されることを覚悟する必要がある。きれいなオフィスはあなたの利益を蝕んでいきます。
何でこんなに総資産や売上高増えてるのにこの会社、営業キャッシュフロー伸びないんだろうなあ
#投資
#投資初心者
#おすすめ本
https://t.co/3xFZMUJmni— ごんじっち@筋トレアプリBADDY (@gonjitti)
July 6, 2020
2005年のライブドアや、2019年までによく見かけた巨額出資を受けたスタートアップ系、2019年のライザップに見られた傾向である。繰り返し繰り返し出資やM&Aを行って見かけの売上高や総資産は膨らむものの、営業キャッシュフローが伸びないタイプである。前述の通り固定資産は将来の費用なので、油断すると確実に決算が崩れる。決算が崩れすと不正会計への誘惑に駆られやすくなるので、要注意(あんな会社やこんな会社、ありましたなあ。)。
会計入門、これにて完
会計にまつわるビジネス書はあまたあるが、投資の視点にフォーカスして決算書から銘柄分析をわかりやすくサポートしてくれる本は貴重である。
特に個人投資はニュースに流されやすい。2019年までのフィンテック、AI、シェアオフィス、キャッシュレスなどは特に加熱傾向にあった。
【ヤフーとLINE】LINE・ヤフー経営統合に見る、ノーサイド現象。スマホ決済マーケットのゲームチェンジ
また、投資初心者は投資の基本原則が抜けている。みんなが考えていることを先取りして、仕込んでおくのが投資なのだ。ニュースを知ってからでは遅い。あと不正会計の傾向など、対象銘柄に関する怪しい情報は中々出回らないので、個人投資のレベルではまず決算書から見極めることが重要である。
残念ながらkindleなど電子書籍版はなく、2007年発刊のため現在は中古本のみとなっている。買うなら今のうちに。
「決算書の暗号を解け! ダメ株を見破る投資のルール」(勝間和代/ランダムハウス講談社)
余談
筆者による筋トレアプリ、BADDYができました。
なかなか難しい筋トレのやり方、ジムの器具の使い方をアプリで見ながら、初めてのワークアウトをやってみよう。 運動メニューをダウンロードして、ワークアウトのお供にしよう。
詳細は下記。 https://baddyworkout.com/blog/2017-01-04-start/