【ZOZO】ヤフーZOZO買収の株価の動きをかつてのプレミア経済本【相場は生きている】で読み解く
ヤフーZOZO買収に至るまでの株価をかつてのプレミア経済本【相場は生きている】の陽線三本型連動で説明します。予測つき。
2019/9/12, ヤフーがZOZOへのTOB(株式公開買付)を発表。市場にはポジティブサプライズとなり、株価は前日終値の2,166円から急上昇し2,457円で引けました。
日本経済新聞マーケット情報よりZOZO(3092)日足 https://www.nikkei.com/nkd/company/chart/?type=hiasi&scode=3092&ba=1&n_cid=DSMMAA13
だが公式発表の9/12以前に、市場では強い買いが見られました。上図の赤枠は7/31は、出来高を伴うまとまった買いが入っており、機関投資家の買い集めを示唆します。
公式発表の前にインサイダーを疑わせる値動きをすることがあります。何らかの情報筋から先行情報を得ているか、あるいは複数の公開情報から未来を予測できる筋がいます。これを通称「早耳筋」と呼びます。株価はすでにヤフーZOZO買収の好材料を織り込んでいた可能性があります。
【相場は生きている】(岩本巌/トランスワールドジャパン)という、知る人ぞ知るマーケット界の名著があります。
原著は1957年に書かれた古い本で、日本の相場師として有名な有名な岩本巌さんが日本繊維新聞にて連載していたものをまとめた本です。本書は2007年の復刊本で、現在は中古で安く買えますが、復刊まではプレミア本として名高く、10万円以上のプレミア価格がついていたこともあります。gonjittiは今作ともう一つある続編【相場は生きている -相場実践編-】を保持しています。
本著は基本的に相場に参加するプレイヤーの心理や政治的材料、経済的材料の説明がメインですが、今回相場の典型的な動きとしてZOZOの株価を説明できる文章が有りましたので、紹介します。「陽線三本型連動」と呼びます。
「相場は生きている」(岩本巌/トランスワールドジャパン)より引用
上図は昭和28年の綿糸相場です。潜在陽線、第一陽線、第二陽線、第三陽線、幻陽線と書かれています。この相場を形成する参加者を、陽線三本型運動では3パターンに分けて説明します。
早耳筋は秘密の情報ルートや政界や財界につながりを持ち、ニュースが公式機関で伝達される前にすでに知っている人たちをメインに指します。ただしこうしたケース以外にも、複数の公式情報からすでに好材料を検知して買いに入る投資家もいます。今回のケースでは7/31時点での出来高を伴う強い買いや、前澤氏の株式担保が減っているという官報情報から買収シナリオを予測できた投資家もいると思われます。
慎重派は、早耳筋ほど早くは無いが株価の値動きなどから買いに入る投資家をさします。このプレイヤーには機関投資家や一部の一般投資家も含まれます。
鈍感派は基本的にはニュースが公開されてから動き始めるか、株価が上がっている、という事実だけで深く調査もせず買いに入る参加者を指します。今回の例では、9/12のニュースを踏まえて買いに入る人や、証券口座の開設を急ぎ行った人々は鈍感派に含まれます。
幻陽線は、最近では別名「バイイング・クライマックス」とも呼ばれますが、鈍感派の買いが枯れはじめ、利確を狙っていた早耳筋や慎重派の売りが強くなってきていることを指します。ここまで来ると株価は急落のサインとなります。
以上より、gonjittiは現在のZOZO株について、第三陽線と読み解きます。一定期間をもって早耳筋が利確を行ってくると予想します。しばらく鈍感派の買いや早耳筋の株価吊り上げを狙った堅調な買いが続き、やがて幻陽線を示して急落するでしょう。
相場は今回の様なニュースをベースにした動き以外にも、よりミクロな相場心理上の動き、よりマクロな政治材料の動きなど複雑な要因が絡まって動きます。また別記事で「相場は生きている」を紹介したいと思います。
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