【自己奉仕バイアス】自分だけが助かると思うな
自戒を込めて書く。残酷な事実に目を背けるな。現象を観察し、パターン化しよう。
遠野九重さんのTwitter より引用
遠野九重さんのTwitter より引用
たまたま上記のTwitterを見かけ、残酷な事実に僕はおののいた。どうやらこのデータが確かならば、ラノベ作家は3年で半分が次作を出せない。つまり死んだことになる。
ふと、もし自分がラノベ作家を目指していた時を考える。ラノベ作家を目指していて毎日原稿を妄想膨らませながら書いている時に、このデータを正しく見られただろうか。多分、見られない。
残酷な事実を突きつけられた時に、事実を受け止めて、冷静に対応できる人は、ほんの一握りだ。
データが残酷な事実を語る時、大体の人はどう対応するか。
自分は当てはまらない、自分は大丈夫だろう、とまるで他人事の用に捉える。これを心理学では「自己奉仕バイアス」という。
心理学では様々な無意識の認知のゆがみを説明するが、この自己奉仕バイアスは、もし自身が自覚的に生活するならば、最初に乗り越えるべきバイアスである。
よく見かける事業失敗の例。ある一般社員が事業計画資料を上司や経営層に提案する時、都合の良いデータだけを拾って自己陶酔状態で提案し、経営層が勘違いして大失敗することがある。もちろん、モチベーションをアップするために自己奉仕バイアスを有効活用したいなら良いが、無自覚ならば馬鹿である。
エンジニアの例。エンジニアは時々技術的課題やスケジュールが炎上している案件に立ち向かうことがある。この経験に妙に慣れると、「気合でなんとかなる」自己陶酔状態で次々にPJを失敗させることがある。前できたことが次できると思ってよいのは、諸条件が一致したときだけである。
PM(プロジェクトマネージャー)の例。失敗するPMは大体、気合でなんとかなる発想タイプか、残酷な事実を無視するタイプである。成功するPMは、リスクを一覧化し、リスクから逃げずに判断し続けるPMである。戦略的撤退を心得ているし、必要ならば交渉する。PMの仕事はプロジェクトを成功させることであり、プライドを守ることではない。
投資の例。よくある失敗に、銘柄に惚れるというものがある。自分が良いと確信した銘柄に、株価が下がってもナンピン買いする。一応言っておくが、株価が下がった時、どれだけ下がるかは誰にもわからないし、どれだけ上がるかは誰にもわからない。確率の高い投資原則を自分で設けて守り切り、誤っていたら原則を修正し続けるのが鉄則である。
仮想通貨の例。2017年末に仮想通貨バブルが発生、2018年1月に崩壊した。2017年末、多くの一般庶民が仮想通貨に手を出した。投資原則で、「靴磨きが株を持ったら売れ」というものがある。一般庶民が仮想通貨を買っている場合、それは需要を食いつぶした状態であり、次に待つは売りである。
僕もたくさん失敗し、迷惑をかけた。そして残念ながら、これからも迷惑をかける気がする。
自分の中では残酷な事実への向き合い方を決めている。それは「現象を観察し、確度の高いパターンを見つけよう」。
ある方の自伝に書いていたことで、自分も大事にしていることである。詳細は別記事で記載する。
生きている中で、あらゆる現象に巻き込まれたりする。その時、うまく言った時と失敗した時がある。実はパターンがあるのだ。
こんな時、失敗する。あんな時、成功する。こうしたらうまくいった。ああやったら失敗した。
自分が無知なことを自覚した上で、積み上げて抽象化し、見つけた原則をメモるのである。
まずは無知の知。自分が無知だと知り、現実的な解を出す。
経営層に事業提案している人は、リスクを提案資料の2ページ目に入れてみよう。経営層ならば、様々な経験をしているはず。何か思いつくかも知れない。思いついたら、それは事業失敗リスクを潰せたかも。
エンジニアとして仕事をしていて不得手な分野は、先達に教えてもらうか、手伝ってもらおう。
PMは、リスクと向き合い、だめなものは是が非でも撤退させ、リソースを集中させよう。
投資ならば、気分にとらわれず、チャートとファンダメンタルを観察し、判断しよう。変化があったら、判断をアップデートしよう。
仮想通貨は、自分で価値を見極め、バブルの原理と仮想通貨の世界での扱われ方を知ろう。仮想通貨は現在、暗号資産と呼ばれ、リスクヘッジ資産の価値を持ち合わせ始めていることに気づくはずである。他にも色々な特殊条件がある。調べていけば気づくはず。
自分だけが助かると思うな、これは事実。ただし、自分がもし助かるパターンを見いだせていたら、、、
現象を観察し、パターン化しよう。大変なのは知っている。だから一緒にやってみよう。
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きれいなフォントをお使いのエディタやブラウザで利用すると、気分がよいですね。