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【Airbnb】エアビーアンドビーのクレイジーな起業エピソード


ざっくり言うと

  1. コロナ下でも力強く、Airbnbいよいよ上場へ。
  2. 家賃の値上げ。しかたなくルームシェアをすることに。
  3. カネがない、、シリアルを売って会社を生きながらえさせた。


Airbnb上場へ


いよいよルームシェアの巨人、Airbnb(エアビーアンドビー)が上場する。



シリコンバレー界でも類を見ない狂ったアイデアとして知られるルームシェアは、世界を席巻した。


コロナ下で厳しい経営環境に置かれる現在でも、ホテルと比較して顧客の戻りが早いようだ。


エアビーアンドビーには、既存のホテルが提供できない、特別な非日常体験ができるためだ。


見知らぬ土地で住んでいるような手づくりの体験が、顧客を何度でもエアビーアンドビーに引き寄せる。


彼らの起業ストーリーは奇想天外で面白い。小学校の頃に読んだズッコケ三人組のようだ。


今回は赤裸々にストーリーが描かれる Airbnb Story 大胆なアイデアを生み、困難を乗り越え、超人気サービスをつくる方法(リー=ギャラガー/日経BP)」 から、エピソードを紹介したい。




家賃の値上げとデザインイベントのホテル不足


きっかけは唐突な家賃の値上げだった。


チェスキーの銀行口座には次の家賃を支払うお金はなかった。


当時チェスキーとゲビア2人で住んでいたので、2人で小遣い稼ぎの方法をあれこれ考えていた。


その一つが、サンフランシスコの国際デザイン会議でホテルが不足するため、デザイナーに向けてエアベッドを貸し出すことだった。


早速やってみようということで、自分たちのデザインを元に素人っぽいウェブサイトを立ち上げた。


サービス名は「エアベッド=ブレックファスト」。


一晩80ドル。エアベッドとホストの手づくり朝食がついてくる。


最初の勇敢な予約者であるデザイナーのサーブは、「とにかく会議に参加したかったので、変だと思ったけど予約した」という。


サーブはこの珍妙なサービスをえらく気に入った。初めてのサンフランシスコを愉快な人達と実際に暮らしているような非日常体験ができたからである。


チェスキーたちは国際デザイナー会議にブロガーだと名乗って無料で参加し、サーブにサービスを宣伝してもらった。


その場にいた人たちは面白がっていたが、真剣に受け止めた人はいなかった。


チェスキー、ゲビアもこのアイデアがすごいビジネスになるとは思っていなかったが、なにかすこし変な感じがしていた。ヒントを掴んだ感じがしていた。


彼らは本物の起業のアイデアを考え始め、ゲビアの以前のルームメイトでボストンの優秀なエンジニア、ネイサン=プレジャージクを招き入れた。


3人は来る日も来る日も起業アイデアを考えるも、結局思いつくことはなく、エアベッド=ブレックファストしか残らなかった。


ひょっとして、これが本命?



シリアルで食いつなぐ


3人組はサウスバイサウスウェストほか様々なイベントでアイデアを試すも、結果は不調。


資金はそこをつき、借金もクレジットカード限界まで到達していた。


いよいよアウトか、と思った時、民主党大会が近所で開かれることを知った。そう、オバマの大統領選挙である。


チェスキーらはなにか話題になってつなぎの資金を作るため、スーパーでシリアルを買って「オバマ=オー」という名前で売り出した。


ただ売っても売れないので、小さなラジオ局やテレビ局に送りつけ、話題にしてもらった。


次第にいろんなメディアがシリアルを面白がり、しばらくの運転資金を作り出すことができた。


だが3名は失望していた。我々はたんなるシリアルメーカーになってしまった。


そんな中、彼らは以前からサービスの相談に乗ってくれていた個人投資家サイベルからYコンビネーターというアクセラレータプログラムを紹介された。


チェスキーらは「われわれはすでにサービスをローンチしていて、われわれが行くべきところじゃない」と反発したが、死にかけている以上、他に手はなかった。


Yコンの受験は厳しい。創業者のポール=グレアムとパートナーたちが10分で質問攻めにする。


面接は失敗だった。ポール=グレアムは「こんなことをやるやつが実際にいるの?頭おかしいのか?」と言い放った。アイデアは問題外だったようだ。


面接が終わりかけていたその時、ゲビアがこっそり持ち出していた売れ残りのシリアルをグレアムに手渡した。


グレアムはお土産にしては妙だと思った。ゲビアたちは「いや、お土産じゃなくて会社の資金にするために売ったんです」と説明した。


グレアムは少し考え込んで、一言。「君たちゴキブリみたいだな。絶対に死なない」


エアビアンドビーのYコン参加決定、そして今につながる伝説のスタートアップ飛躍の瞬間だった。