【一勝九敗】ユニクロが勝利したのは、打席に立っていたから

2003年の自伝本。苦難の道のりがそのまま描かれる。


ざっくり言うと

  1. 名社長、柳井正の自伝本。
  2. 赤裸々な失敗独白。スポクロ/ファミクロ、大阪アメリカ村撤退、ロンドン進出。
  3. 僅かな成功プロジェクトが売上を牽引。原宿店、山崎まさよしのクールなCM。


柳井正氏初の自伝本


ユニクロといえば、泣く子も黙る日本を代表するファッションSPAである。


柳井正氏は、父親から受け継いだ紳士服店「メンズショップ小郡商事」からカジュアルウェアの流行に目をつけ、「ユニーククロージングウェアハウス」を1984年、広島にて開店した。


その後自社で製造から販売まで行うSPA業態へと転換、「安くて良い服」を実現させ、広島から全国展開、国際展開を果たす。


本著は2003年、国内で覇権を握り、世界展開へと進出を進めるさなかで著された自伝本である。


本著のタイトル、「一勝九敗」の通り、ユニクロの苦難の道と突破口を開いた瞬間が赤裸々に描かれる。



ユニクロ失敗の道



スポクロ/ファミクロ


ユニクロのスポーツカジュアル特化、ファミリー特化のスポクロ、ファミクロだが、商品のラインナップの差異がユニクロとあまり変わらないために人気が出ず、むしろ在庫管理が非効率になり在庫切れを多発させたために中止となった。



大阪アメリカ村店


郊外店中心だったユニクロが初めてファッション街の中心地に出店したのが大阪アメリカ村。しかしラインナップが総花的になり、訴求ポイントを安さにした結果、ブランディングを確立できずに撤退した。


後にリトライとなる原宿店では、当時カジュアル用途では珍しかったフリースを全面に押し出し、認知度を大幅に高めることに成功した。



初の海外店舗、ロンドン進出


初の海外進出が2000年、ロンドンである。進出候補の選定までは秀逸だった。当時ニューヨーク、パリ、ロンドンが進出候補だったが、ニューヨークはハイブランドかつ競争相手が多すぎてボツ、パリは保守的で日本ブランドの進出においては嫌悪感を持たれる可能性が高く、ボツ。


ロンドンは都市の規模と地価はOK、日本からの進出を受け入れるグローバルな国民性を持っていることから進出、1店舗目は大成功だった。


しかし進出目標が仇となった。出店目標は「3年間で黒字化」「3年で50店舗」としていたが、50店舗という数字が先行し、店舗単体での黒字化は後回し、郊外などの立地が悪い場所にも次々と出店し赤字幅を拡大させた。


結果3年間での黒字化は達成できず、ロンドン以外の5店舗を残して全店撤退した。


商品でも課題があった。ドライのポロシャツが当時ユニクロのメイン商品だったが、高温多湿な日本では売れるが、涼しく乾燥したロンドンでは寒すぎるのである。売れるはずもなかった。



ユニクロのターニングポイント。原宿店とCM


柳井正氏は数々の失敗を学びとして、僅かな成功を急成長のきっかけにした。


1998年、原宿店


郊外の「やすかろう、悪かろう」店だったユニクロが、大阪アメリカ村での撤退を受けて二度目の都市部出店チャレンジとなったのが、原宿店である。


総花的だったラインナップをフリース一本に絞り、1,900円という当時としては破格の値段でさばいた。原宿店はオープンからずっと大行列となった。


実際にフリースを使用した顧客は、「安くて良い服」としてのユニクロに衝撃をうけ、顧客基盤を拡大させることに成功した。



CM


山崎まさよしとフリース、1,900円という文字だけが表示されるシンプルなCMは、ユニクロのCMの定番として確立している


でかでかと表示あれる値段と声で訴求するごちゃごちゃしたCMが多かった世の中において、急に環境音だけが流れるユニクロのCMは意外性があった。


このCMは米ワイデン=ケネディ社のジョン=ジェイ氏によるもので、柳井氏からのアプローチによって実現した。


ジョン=ジェイ氏はごちゃごちゃしたCMについて「消費者をバカにしている」と一蹴。「テレビを見ている人たちをもっと尊敬して、インテリジェンスなものにすべきだ。値段のことを言う必要はない」として、斬新なCMが出来上がった。





余談(今日のおすすめ本)


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