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【結局、これ】企画を当てられる人・当てられない人

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プロフェッショナルゲームプランナー―ゲームづくりの現場の教科書

ざっくり言うと

  1. なぜ企画を当てる人と当てられない人が生まれるのか。
  2. 提携酔い、認知度、なんとなく売れるだろう、継続して改善しない、社会に主張がない、に注意。
  3. だいたい満たされている今だからこそ、生活必需品ではないゲームのプランナーに企画の作り方を学ぶ。

企画を当てられない人は、提携に酔う。当てられる人は、提携した意味を考える。

企画を当てられない人は、ブランドに酔うことがある。「〇〇と組みました」で悦(えつ)に入り、顧客にとっては「どうでも良い」ということがどこかで抜ける。私はこれを広報ゴールと呼んでいる。

当てられる人は、提携して顧客に具体的にどのようなメリットが有るのか、時間・お金・承認欲求あらゆる視点から研究し尽くしている。適当ではなく、具体的な価値をイメージしている。

企画を当てられない人は、ユーザーの認知度を軽視する。当てられる人は、認知度が全てだと知っている。

企画を当てられない人は、ユーザが自分の思い通りにサービスを知り、使ってくれると思っている。しかし、ユーザーはサービスに興味など、まったくない。

企画を当てられる人は、ユーザーの認知度が全てだと知っており、どうやれば賛否両論が生まれバイラルするのか、テレビが取材したくなるのか研究している、と広報を日々仮説検証している。

企画を当てられない人は、なんとなく売れるだろうと考える。当てられる人は、どのように使われ売れるのか、具体的なモチベーションがフローまで描けている。

企画を当てられない人は、要素を揃えて満足する。なんとなくもう使ってもらえるだろう、という甘い期待を持っている。しかしそんなはずはない。自分がユーザー側に立ったときにいかに面倒くさがって意図通り触らないかを思い出せない、あるいは、詳細まで詰めるのが面倒だからやらない。

企画を当てられる人は、具体的な心の動きをイメージして、どのように使ってモチベーションが上がってくるか、フローまで描けている。Slackは、どういうときに絵文字で返事され、どういうときにDMを送るのか、詳細なフローが描けていた。

企画を当てられない人は、継続して改善する気がない。当てられる人は、粘り強い改善が勝利を呼ぶことを知っている。

企画を当てられない人は、そもそも「要素が揃えば売れるだろう」で諦めて以後の継続改善を怠る。

企画を当てられる人は、サービスの結果が良かれ悪かれ、継続して計測改善を行い売れる基準値に達するまで粘る。そして結局最後に勝利を掴む。

企画を当てられない人は、社会に持ち込みたい主張がない。当てられる人は、社会に物申したい主張がある。

企画を当てられない人は、単純に自分の企画で何を言いたいのか主張がなく、ユーザーが受け取りようがない。

企画を当てられる人は、社会に不満を持ち、生み出す企画が今の社会のトレンドに対して、良い意味でズレている。例えばタブーに触れる、反トレンドである、あえてのなにかがあり、企画を公開して批判を浴びることに物怖じしない。賛否両論が起きそうなトピックを持ち込む。結果、バズるしバズりに耐えられる。

大体いいんじゃないですか、な時代に企画を当てるには、ゲームプランナーに学ぶのが最適

だいたい満たされている退屈な現代において、生活必需品を作り出すのは本当に難しい。。誰も一昔前のデジカメにエモさを感じてバズる、なんて思いもしなかっただろう。

つまり今の時代における企画は基本的に生活必需品ではない、ニーズ創出の企画が多いのだ。つまるところゲームである。

ゲームは何も需要がないところから面白さを作り出し、ゲームそのものを目的化してニーズを生み出す。最大級に難易度の高い企画力が求められるのである。

もちろんRPGなど成熟したジャンルでより便利なゲームを生み出すこともあるが、基本的には新しい驚きと楽しみを生み出してニーズを創出するのがゲームプランナーである。

そこで今の企画担当者には、ゲームプランナーの仕事を学ぶのが最適だと考える。

下記の本には、ゲームプランナーの仕事を一通り紹介しているが、特に企画作成とサービス公開後の運営の章が秀逸な記載に溢れている。

いかに「なぜあえてこのゲームを手にするのか」「取り組んでいる社会の不はなにか」「どのようにして自分の企画を理解してもらい通して行けるのか」「ゲームが公開されたとして、以下に運営し当て続けられる状態に持っていくか」は、ゲームに限らずあらゆるサービスで必須のスキルである。

ぜひ普通の企画本、アイデア本ではなく、あえて視点をずらしてゲームづくりの本を手にしてみてほしい。

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