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【GREAT BOSS】徹底的なホンネを伝えるボス論


ざっくり言うと

  1. ホントのことを言う力。
  2. 上司シェリルのエピソード。
  3. 実践的な上司論の数々。タイトルで損してる。


ホントのことを言う力


上司になりたての人にありがちなパターンとして、メンバーに気を遣いすぎるというものがある。


メンバーの仕事が上手くいって無いときに、「うまくいってない」とフィードバックできないのだ。


結果チーム全体のパフォーマンス低下を招き、メンバー間で愚痴や嫌悪感のオンパレードになる。


うまくいってないメンバー当事者にとっても不幸だ。うまくいってないのならサポートを受けるなり、部署をかえてもらうなりしたほうがよい。


作者のキム=スコットは上司なりたてのころ、メンバーに本当のことを言えずメンバーから「だめなら早くだめって言ってほしかった」と言われた経験を持つ。


結果そのメンバーは評判を上げることはできず、退社した。


スティーブ=ジョブズはずけずけ言うという意味では言いすぎな上司だが、彼には様々な心がけがあった。


フィードバックについて。


相手の能力を信じていることを伝えながら、 解釈の余地を残さない よう指摘しないといけない……すごく難しいことだ


Appleデザイン責任者ジョニー=アイブとのやり取り。


アップルで最高デザイン責任者を務めるジョニー・アイブは、チームの仕事を批判すべき場で矛先を引っ込めた時の話を教えてくれた。
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スティーブ・ジョブズから、なぜダメな点をもっとはっきり指摘しないのかと聞かれたジョニーはこう答えた。
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「チームを気にかけているから」。
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するとスティーブ・ジョブズはこう返した。
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「違う、ジョニー。それはただの見栄だ。みんなに好かれたいからだよ」。
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その時のことを思い出しながら、ジョニーは言った。
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「僕はすごくムカついた。だって彼が正しいとわかっていたから。


シェリル=サンドバーグ



現在はFacebookの最高執行責任者であるが、以前はGoogleのオンライン広告営業の会社の副社長をしており、キム=スコットの上司であった。


キム=スコットはシェリルに様々なことをサポートしてくれたことが本著では赤裸々に書かれているが、キム氏が世界中の都市のチーム管理を任されている時に、ちょうど40歳で妊活を進めたいと相談した時の話が興味深い。


「ああ、そんなの簡単よ。どっちもなんて無理。妊娠が先に決まってるわ。グローバルの社外ミーティングの予算を取るから、自分が行く代わりに世界中のメンバーを逆に呼べばいいじゃない。」

無事キム氏は子供を授かり、結果チーム管理も無事に進めることができた。



タイトルで損してる。


様々なビジネス書を見るにつけ、本著は特にタイトルで損している。


本著の骨子はずけずけ言う部分ではなく、具体的で実践的なリーダー奮闘エピソードにある。


前述したスティーブ=ジョブズやシェリル=サンドバーグのほか、Twitterの前CEOディック=コストロ、あるユダヤ人上司などキム氏が出会った様々な興味深い上司たちのエピソードが面白い。


些細なエピソードも面白い。アップルに入社した時の話。


アップルで働きはじめた時、素晴らしく上手にまとまった三つ折りの小冊子を渡された。<br/>
表紙には、「ごめんなさい! 事務処理です」という題が付いていた。<br/>
入社時の面倒な事務処理をできるだけ面倒くさくないようにするため、この会社が深く考え抜き、気を配っていることがよくわかった。<br/>
その三つ折りのホルダーは美しかった。デザインは見事で、それほど贅沢ではない。そこに書かれていた言葉遣いにユーモアが感じられた。<br/>
その書類につぎ込まれた心遣いがわたしにも伝わり、働く前から職場で自分に何が期待されているかが察せられた。

まずはメンバーにホントのことを言う勇気を備えて、理想の上司になろう。